最後の文化祭の出場を決めた薫と千太郎。ロックバンド・オリンポスから、ロックVSジャズの宣戦布告を受けた二人は律子の父・勉(bs)を招くことに。いやいやどころか、相当乗り気のベースを加えて練習する曲として選んだのが"Milestones"。その名の通り、マイルス・デイビスの代表曲の一つだが、ビル・エヴァンスによるピアノトリオもまたスタンダード。そのトリオで負ける気のしないセッションに励む。
菅野よう子書き下ろしサウンドトラック
23. Kaoru & Sentaro Duo
in BUNKASAI
(Medley “My Favorite Things
〜いつか王子様が〜Moanin‘”)
2年の文化祭。電源の落ちた会場。幕越しに聞こえた、「大事な相棒ば、待たせとるけんな」との千太郎の言葉。止まってしまったロックバンドの演奏をつなぐ、薫の生ピアノ。メロディにのる千太郎のリズム。いつしか曲は乗りかわり、あの曲"モーニン"へ。そして二人で駆け下りる坂道。 ふとしたことで傷つき、遠ざかった気持ちを再び結んだのはやはりJAZZ。「坂道のアポロン」屈指の名場面を、松永貴志と石若駿が見事に演じきった。
24. Someday My Prince Will Come
いつか王子様が
ディズニーの名作アニメーション、"白雪姫"の中に登場するこの曲は、薫の律子への想いを象徴するような楽曲となった。デイヴ・ブルーベック、マイルス・デイビスをはじめ、多くのジャズ・ミュージシャンに愛されたこの曲だが、薫が手本にしたように、ビル・エヴァンスによる演奏が名高い。律子への告白に、文化祭でのセッションに、そして薫を想う律子がふと奏でるピアノに、幾度となくこのロマンティックなメロディが現れる。松永貴志による繊細な演奏で余韻まで楽しみたい。